だいどこ道具ツチキリ 土切敬子さん
台所道具選びのプロに聞く-モノ選びの基準-
お店でLino e Linaを取り扱ってくださっている台所道具店の土切(ツチキリ)さん。
年末年始で台所用具の買い替えも気になるこのシーズンですが、ほしいモノにどこかまとまりがなく、悩む人も多いのでは。
台所道具選びのプロから伺った、モノ選びの基準をご紹介します。
昨年5月にOPENしたツチキリさんのお店。店内には無機質なカラーの台所道具がずらりと並びます。
一見、これはどうやって使うんだろう?というモノもありますが、一つ一つ伺うと、なるほど、そういうものがあったら便利ですね。と、かゆいところに手が届くアイテムばかりです。メディアでの露出が増えたこともあり、最近は遠方からのお客様や問い合わせも増えているそう。
商品はどこでセレクトしているのですか?
ツチキリ: 「今まで自分が購入し使ってきたものの中でおすすめできるものを基本にセレクトしています。新しい商品はこんな使い勝手のものがあったらいいなと思うものを新潟のメーカーに問い合わせたり、常に道具全般にアンテナを張っています。本来の使い方とは違う切り口から品物を探すのも得意です。あと、作家ものの器を扱うお店は沢山あるので、うちでは作家さんのものでもなるべく『道具』に近いものを扱っています。そして、魂のこもった手作りというより、工業製品と作家ものの中間に位置するようなものが好きなのかもしれません。」
なるほど、土切さんならではの「道具」という視点と細やかな気づきによって選ばれた商品は、様々なメーカーからセレクトされているにも関わらず、自然と統一感があります。
左)裏ごし器(蒸す・ふるう・水切りにも)+鍋のセット。一見セット販売されていたように見えますが、土切さんがそれぞれ別のメーカーから購入して組み合わせたもの。
右)どんな台所にも馴染みやすい商品が揃い、男性にも好評。
土切さんがセレクトする、こんなモノ
“ハクション大魔王の壺に似た鍋”
大きい耳に鼻のような注ぎ口、まぁるいライン・・・これは、ハクション大魔王に似ている!と一目ぼれしたそう。南部鉄器ならではの機能性と使いやすいフォルムに、愛嬌あるデザインが魅力の一品。
“Lino e Linaのエプロン”
テキスタイルデザイナー出身ということもあり、生地にはうるさいという土切さん。リネンの質感が気に入っているのと、無機質な色の道具が多く男性的な印象になりがちな店内に、彩りを添えているそう。
商品を選ぶ基準は、何ですか?
ツチキリ:「私が台所道具を選ぶ基準は、機能とデザインのバランスがとれているもの。そこにちょっとユーモアがあるもの。かっこいいけど使い勝手がよくないものも多いし、使い勝手がいいとデザインがよくないものも多い。そのバランスが大事。あとは、愛嬌かな。シンプルだけじゃ、面白くないから。」
その言葉の通り、お店の商品はミニマムなデザインながら、どこかほっこりしていて、愛らしさを感じさせてくれるポイントがあります。「道具」という視点を大切にしながら、自分が「好き」と思う感覚も忘れない。モノ選びの基準として、是非参考にしたいですね。
ついついデザインに流されたり、機能性を求めすぎてインテリアにしっくり馴染まなかったり・・・となかなか難しいモノ選び。土切さんの一貫したバランス感覚は、とても興味深いものでした。次回は、土切さんのお店づくりのスタンスを伺います。お楽しみに。(つづく)
土切 敬子 さん
テキスタイルの企画デザイン、食品関連のアートディレクターを経て、2017年5月、だいどこ道具ツチキリをOPEN。
お店では独自の視点でセレクトした台所道具を紹介。最近は天然生活やku:nelなど様々な雑誌に取り上げられている。
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お店でLino e Linaを取り扱ってくださっている台所道具店の土切(ツチキリ)さん。 年末年始で台所用具の買い替えも気になるこのシーズンですが、ほしいモノにどこかまとまりがなく、悩む人も多いのでは。 台所道具選びのプロから伺った、モノ選びの基準をご紹介します。
昨年5月にOPENしたツチキリさんのお店。店内には無機質なカラーの台所道具がずらりと並びます。
一見、これはどうやって使うんだろう?というモノもありますが、一つ一つ伺うと、なるほど、そういうものがあったら便利ですね。と、かゆいところに手が届くアイテムばかりです。メディアでの露出が増えたこともあり、最近は遠方からのお客様や問い合わせも増えているそう。
商品はどこでセレクトしているのですか?
ツチキリ: 「今まで自分が購入し使ってきたものの中でおすすめできるものを基本にセレクトしています。新しい商品はこんな使い勝手のものがあったらいいなと思うものを新潟のメーカーに問い合わせたり、常に道具全般にアンテナを張っています。本来の使い方とは違う切り口から品物を探すのも得意です。あと、作家ものの器を扱うお店は沢山あるので、うちでは作家さんのものでもなるべく『道具』に近いものを扱っています。そして、魂のこもった手作りというより、工業製品と作家ものの中間に位置するようなものが好きなのかもしれません。」
なるほど、土切さんならではの「道具」という視点と細やかな気づきによって選ばれた商品は、様々なメーカーからセレクトされているにも関わらず、自然と統一感があります。
左)裏ごし器(蒸す・ふるう・水切りにも)+鍋のセット。一見セット販売されていたように見えますが、土切さんがそれぞれ別のメーカーから購入して組み合わせたもの。
右)どんな台所にも馴染みやすい商品が揃い、男性にも好評。
土切さんがセレクトする、こんなモノ
“ハクション大魔王の壺に似た鍋”
大きい耳に鼻のような注ぎ口、まぁるいライン・・・これは、ハクション大魔王に似ている!と一目ぼれしたそう。南部鉄器ならではの機能性と使いやすいフォルムに、愛嬌あるデザインが魅力の一品。
“Lino e Linaのエプロン”
テキスタイルデザイナー出身ということもあり、生地にはうるさいという土切さん。リネンの質感が気に入っているのと、無機質な色の道具が多く男性的な印象になりがちな店内に、彩りを添えているそう。
商品を選ぶ基準は、何ですか?
ツチキリ:「私が台所道具を選ぶ基準は、機能とデザインのバランスがとれているもの。そこにちょっとユーモアがあるもの。かっこいいけど使い勝手がよくないものも多いし、使い勝手がいいとデザインがよくないものも多い。そのバランスが大事。あとは、愛嬌かな。シンプルだけじゃ、面白くないから。」
その言葉の通り、お店の商品はミニマムなデザインながら、どこかほっこりしていて、愛らしさを感じさせてくれるポイントがあります。「道具」という視点を大切にしながら、自分が「好き」と思う感覚も忘れない。モノ選びの基準として、是非参考にしたいですね。
ついついデザインに流されたり、機能性を求めすぎてインテリアにしっくり馴染まなかったり・・・となかなか難しいモノ選び。土切さんの一貫したバランス感覚は、とても興味深いものでした。次回は、土切さんのお店づくりのスタンスを伺います。お楽しみに。(つづく)
土切 敬子 さん
テキスタイルの企画デザイン、食品関連のアートディレクターを経て、2017年5月、だいどこ道具ツチキリをOPEN。
お店では独自の視点でセレクトした台所道具を紹介。最近は天然生活やku:nelなど様々な雑誌に取り上げられている。